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NPOの活動
私たちの活動は、其々の人生学に基づいた自由な発想を基におもい想いの活動を通して社会貢献することにあります。
一般的な高等教育機関などでは専門的な技術を学ぶことはできますが、その技術を生かす為の思考(こころ)までは教えてはくれません。
そこで、とちぎ生涯学習研究会では、活動を通して物事に対しての考え方をはじめとした「こころ」を 学習してもらい
現代社会に対応できる人材育成と次世代の健全なる社会形成に貢献できる『ひと』創り(育成環境の構築)を行っております。
好奇心旺盛なスタッフをお待ちしております。 共に学び・共に笑い・共に感動し、そして其々の好奇心から生まれた活動が、将来の活きる糧(人間形成)と成り得ることを私たちは信じています。 NPO活動に参加したい方!お気軽にお問い合わせください。
2015年2月16日:「どんぐりから苗木一本運動 World Caravan in Hokkaido」を行いました。
日本の北の玄関口でもある、札幌市の教育委員会のご協力のもと札幌市立幌南小学校へ。
当日は、北海道大学・千葉大学・宇都宮大学の学生が参加し、幌南小学校の授業を担当させていただきました。
札幌市教育委員会から紹介を受けた札幌市立幌南小学校を会場として本事業は実施されました。また札幌市は、全国の市で4番目に多い人口を有しており、毎年1300万人が観光客として訪れています。アイヌと呼ばれる民族が独自の生活を営んでいた地でもあり、「サッポロ」という地名もアイヌ語が語源とされています。
幌南小学校は昭和11年に建学。80年以上の歴史を持つ小学校です。校門前には開校時に地元の人々によって植えられた2本の神樹が植えられています。この2本の神樹に見守られている幌南小学校の児童たちは「しんじゅっ子」と呼ばれ、教育目標とする心豊かな主体的な人間の育成を目指しているそうです。
小学校を代表して城崎則幸校長先生、当団体を代表して柴田法幸先生からご挨拶をいただきました。今回参加してくれた100名を超える子ども達は、真剣になって話を聞いておりました。誰から言われるまでもなくひたむきに話に耳を傾ける子ども達の姿勢からは、北の大地で培った生きる力を感じることができました。また先生からのお話の中で「子ども達とともに地域や学校が成長していく姿」、これは「苗木とともに地域や学校が成長していく姿」に酷似しているという言葉が大変印象的でした。
北海道大学と千葉大学の学生から、それぞれの身近な環境に関するクイズが出題されました。北大生からは近年北海道で問題視されているエゾシカ増加に対する近隣への影響に関して、千葉大生からは出身が沖縄ということもあり、サンゴの白化現象に関してのクイズでした。両学生の、美しい自然の写真を交えながら出題するクイズに、子ども達は興味津々でした。子ども達の間からは積極的に手が挙がり、環境問題について一人ひとりがしっかりと考えられていたようでした。
今回、北海道産のどんぐりの苗木を手配してくださった一般社団法人札幌造園協会の理事長奥内様からもご挨拶をいただきました。小学校では国有林の藻岩山を会場として環境教育を行っており、毎年植樹の式典があるそうです。また、当法人から子ども達へ、どんぐりを主人公にした二冊の手作りの絵本がプレゼントされました。環境の破壊と再生を、小学生にも分かりやすく理解できるように柴田代表がシナリオを考案したものです。
宇都宮大学からは、足尾銅山鉱毒事件を描いた「どん君の夢」の紙芝居の方をスタッフがそれぞれの役につきやらせていただきました。子どもたちも時々笑みをこぼしながら楽しくこの紙芝居を聞いていました。また、子どもたちから「木が切られてしまってかわいそう」などといった声が上げられ、子どもたちが環境について真剣に考える姿も見受けられました。 紙芝居「どん君の夢」では北海道の子ども達に足尾で起こった環境破壊について聞いてもらいました。遠く離れた地ではありますが足尾の歴史を知ってもらい、緑があることの大切さについて生徒たち自身で考えてもらえればと思います。
この度、快くご協力いただいた札幌市教育委員会をはじめ関係者各位の皆様、本当にご協力ありがとうございました。(柴田)
3月4日:「どんぐりから苗木一本運動 World Caravan in Republic of the Philippines」 を行いました。
現地での交渉を重ねた結果、フィリピン国内2ヵ所で記念植樹を行うことができました。
私たちが今回訪れることとなったセブ島のラプラプ市は、16世紀にマゼランによって、キリスト教への改宗を迫られ、マゼランに対抗し、マゼランを討ち取った英雄ラプ=ラプの名前が使われています。市内にはその雄姿をたたえるべくラプラプの像が建てられており、多くの観光客がその雄姿を観に訪れます。「どんぐりから苗木一本運動 World Caravan」の今回の舞台は、フィリピンの空の玄関口、マクタン・セブ国際空港があるマクタン島でした。近隣の島ミンダナオ島では今も尚、渡航延期勧告が発令され、私たちが訪れたマクタン島も渡航十分注意情報が出されていました。私たちが出国する1ヶ月前には、イスラム過激組織による自爆テロや邦人誘拐拉致などが起きており危険な地域が数多く点在する所でした。そんな情報が交錯する中、私たちが渡航した理由には使命があったからです。その使命とは、私たちが推奨する国境なきグリーンベルト運動「どんぐりから苗木一本運動」を全世界に展開すべくその地を訪れました。訪れた地域は、貧富の差がまざまざと体験できる地域でした。私達は地元住民の暮らしをはっきりと目にすることができました。小学校は商店街の中に位置しており、どこか賑やかな印象をうけました。ベニヤ板を張り合わせただけの家や壁が穴だらけの家などに大人数で生活する家族、お腹をすかせ物乞いをする子ども達にも遭遇し、格差社会をまざまざと実感しました。セブシティにまで足を伸ばすと、私たちの来日を歓迎しているかのように、青々とした葉の生い茂った植物の販売イベントが期間限定で行われており微笑ましい一面を見ることもできました。その一方で、深刻な環境汚染の現状も目の当たりにしました。郊外を歩くと荒地とゴミだらけ、街中を流れる川も、ゴミと垂れ流しの生活排水で汚染されていました。現在、マクタン島を含むセブ一帯では、河川の汚染が海域の汚染へとつながり、生物生息域が急激に減少しているとのことです。
フィリピン国内1か所目の植樹は、私達が宿泊した「コスタベリャトロピカルビーチホテル」でした。急なご依頼にもかかわらず全面的なご協力をいただくことができました。BOSSを含めスタッフの皆様は、私たちの使命をしっかりと受け止めて下さり、植樹を快諾して下さりました。植樹場所の確保から植樹場所の土づくりまでして下さったスタッフの皆様に、心より感謝申し上げます。この苗木を目にした人が、豊かな環境を自らの手で脅かしてはならないという気持ちに少しでもなってもらえれば幸いです。そして、苗木のメッセージが世界各国からの観光客の心に響き、帰国と同時に国境なきグリーンベルト運動「どんぐりから苗木一本運動」が広がっていくことを私達は願っております。
フィリピン国内2か所目の植樹は、ボホール島沖に位置するパンダノン島で行いました。柴田代表が20年ほど前に訪れた際には、白い砂浜と美しい海岸線が広がり、海中には珊瑚礁が広域にわたり連なり、地域特有の色鮮やかな魚介類が海中を埋めつくさんとする光景が印象的であったと伺っておりました。しかし、今回代表とともにその地を訪れてみると、その光景は「どこへやら?」。ここにも地球温暖化の影響が如実に現れていました。島は漂流したゴミや、生活排水などにより汚染され、色鮮やかな魚介類や珊瑚礁は死滅し、新たな生態系を形成していました。文明開化とともに発展してきた社会は、世界各地の自然を奪い生態系までを壊そうとしています。自然豊かなフィリピンも例外ではなく、外資の参入により様々な産業が発展して行く中、環境インフラが追いついて行かず、自然環境を破壊しつつ経済成長を続けようとしています。これは貧富の差が生んだ弊害と言わざるを得ないと感じました。訪れた地域では、教育を受けられる恵まれた子ども達もいれば、その日を生き抜くために道端にたって物乞いをする子ども達(ストリートチルドレン)も少なくないのが現状です。社会的な安心、そしてモラル・秩序は、どこから生まれてくるのでしょうか?次代を支える子ども達を創育するのも社会であるのならば、その社会を創育するのも私たちの責任ではないでしょうか。遠く離れた異国の地に私たちのメッセージを残します。砂浜に書いた「どんぐりから苗木一本運動(森羅万象)」という文字は汐が満ちれば消えてしまいますが、私たちの願いは、汐とともにこれからも世界の海を渡り続けます。
フィリピン国内に自生する苗木を当団体スタッフで丁寧に植樹いたしました。厳しい環境下ではありますが、苗木の成長とともに住民や観光客のモラルも向上し、20年前の美しい島に戻ることを願っております。
3月19日:「どんぐりから苗木一本運動 World Caravan in Nagano (ISAK)」で行いました。
国際色豊かな国際高等学校 (ISAK)International School of Asia, Karuizawaで記念植樹を行いました。
今回の記念植樹は、今までにない教育プログラムで世界中から注目を集めている全寮制国際学校・International School of Asia, Karuizawa (以下ISAK)で行われました。ISAKは、昨年2014年9月に長野県軽井沢町に開校する前より、数々のサマースクール等を成功させ、多くのマスコミに取り上げられた学校です。 優れた思考力・使命を持ったリーダーを、そして世界に革新を起こすチェンジメーカーを養成することを目指して、誕生したISAK。そのスタートまでの道のりは、長く険しいものであったそうです。現代表理事様は、フィリピンでのストリートチルドレンの非公式教育に携わった際に感じた格差や貧困を目の当たりにされました。そして、事業発起人代表とともに社会に変革をもたらすリーダーをアジアから輩出させることを目的に、全寮制インターナショナルスクールの設立を資金ゼロの状態からスタートされたそうです。しかし、今では生徒の半数以上に返済不要の奨学金を給付し、学ぶ情熱さえあればどんな子どもでも優れた教育を受けられる制度を整えています。そんなISAKのカリキュラムの最大の特徴は、リーダーシッププログラムです。常に本質的に大切なことを軸に行動して課題を発見し、世界をより良くすることへの情熱と奉仕の心をもった生徒を育てるプログラムは、まさしく当法人が掲げる「生きる力」をもった人材の育成(=創育活動)と共通するところであります。このことを知った当法人の柴田法幸代表は、約20年に亘り次代を担う若き学生達を自費で創育してきた経緯があります。其の過程とISAKのプログラムが酷似していたことから、柴田代表の提案によりISAK様にお声をかけさせていただいたところ関係者様のご厚意により、「どんぐりから苗木一本運動 World Caravan in 長野」が実現しました。
今回、当法人からは、長野県産のコナラ苗木を寄贈させていただきました。式典では、まず初めにISAKのロデリック・ジェミソン校長先生からご挨拶をいただきました。そして柴田代表からご挨拶と、多くのマスコミ関係者が取材する中、寄贈した苗木が植えられたのは生徒達の憩いの場でもあるカフェテラスから見下ろした場所です。カフェテラスに集う生徒達が苗木の成長とともに豊かに成長していく姿を思い浮かべ、柴田代表とロデリック・ジェミソン校長先生は、土を盛り、世界の子ども達は其々の願いを込めて土を盛り苗を植えました。
記念植樹の式典には、生徒さん方、職員の方々も参加していただき、スコップを使って苗木を植えて頂きました。皆の笑顔あふれる中で、式典は進んでいきました。
生徒さんが二人組で交代に土をかける中、周りの生徒さんが歓声をあげ盛り上げます。笑顔あふれる植樹式典となりました。また、代表でベトナム出身の生徒さんから、お礼の言葉を頂き、この苗木を大切に育てることを約束してくださいました。式典の終わりにはインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢の生徒さん達から感謝の言葉を英語で頂きました。彼らに私たちのメッセージが届き、彼らの母国に住む人々にその思いが波及し、「どんぐりから苗木一本運動」が国境を越えグローバルな活動になっていくことを切に願っております。
続いて、校舎内に場所を移し、生徒さんにむけて当法人の行う「どんぐりから苗木一本運動」のプレゼンテーションをさせて頂きました。プレゼンは、生徒さんからそれぞれの母国とそこで起きている問題について教えてもらいながら進みました。この日集まってくれた生徒さんは、ベトナム、タイ、ネパール、オーストラリア、フィリピン、ソマリアなど、実に様々な国から集まっていました。ベトナムでは環境破壊、フィリピンではごみ問題、ネパールでは労働問題が深刻でよくストライキが起きる、といったお話をしてくれました。その真剣な眼差しと口調から、母国への愛と、なんとか解決したいという意思が伝わりました。生徒たちにとって母国の環境問題を改めて考える良い機会になったと考えております。様々な国から生徒が集まるインターナショナルスクール・オブ・アジア軽井沢だからこそできる話し合い、意見が多く非常に有意義な時間となりました。
世界に羽ばたける輝かしい才能をもった生徒さんだからこそ、私たちから伝えたいことがあります。世界には解決すべきさまざまな問題があります。格差社会、ゴミ問題、高齢化社会…。そんな問題に立ち向かうために私たちが必要だと考えているのは、ひとりひとりの「故郷を思いやる心」です。みなさんの母国はどこですか。そしてそこはどんな国ですか。一人ひとりが育っていった当時を振り返ってもらうため、私たちが投げかけた質問です。身の回りの環境(人間関係、自然環境、物質的環境)に改めて目を向けることで、自分ひとりで生きてきたのではなく、周りに支えられて生かされてきたことに気付くはずです。そこから身の回りの環境に感謝する気持ち、すなわち「思いやりの心」が生まれ、自らが環境に対してアクションを起こしていくことで、社会がより住みやすいものとなっていく、私たちはそう考え、実行しています。
「どんぐりから苗木一本運動の過程は、子どもの成長と同じである。」という柴田代表の考えを、プレゼンテーションで生徒さん達に伝えました。「どんぐりから苗木一本運動」、ISAKの子ども達がそれぞれの故郷で産声を上げ、このISAKで仲間と切磋琢磨して学び、将来的には祖国で活躍するリーダーとなる姿と一致します。ある生徒さんからは、「なんで苗木を植えているのか、初めは分からなかったけど、プレゼンを聞いて納得できた」という言葉を頂きました。後のディベートでは自国の環境問題、故郷に対する思いを語り合う素晴らしい時間を過ごすことができました。
プレゼン後、当法人スタッフとISAKの生徒さんはグループに分かれて交流しました。お互いの学校で学んでいること、休日の過ごし方、将来の夢、母国での環境問題などについて語り合うことができ、実に密度の濃い時間となりました。「一番好きな授業は?」と尋ねると、「Design Innovation(自分で一からもののデザインを行う授業)」という珍しい返答が帰ってきて、ISAKのプログラムは、やはり日本の既存の教育とは一線を画していると実感しました。また、生徒のみなさんは出身地もバラバラで、フィリピンやマレーシアや、スペインやオーストラリアなど多岐にわたっています。将来の夢も明確に定まっている生徒さんが多く、医者や心理学者として人を笑顔にしたいと話す生徒さんもいれば、起業してその傍らでボランティアをしていきたいと話す生徒さんもいました。 ISAKに入学したきっかけは夏に参加したサマースクールだと話す生徒さんはリーダーシップの重要性や、相手に自らの考えを伝えることの重要性を理解し、それを実践していました。
今回の記念植樹と交流を通して、多くの国の人々に私たちの使命を伝えることができました。また、未来の世界を良くするためには、今自分の足元から何をすればよいのか、考えてもらうきっかけを作ることができました。ここで出会った生徒さんが、母国で愛の苗木を植え、苗木と共にふるさとのシンボルとなる、そんなリーダーになってくれれば、こんなにうれしいことはありません(植樹する場合、苗木代は当法人で負担させていただきます)。ISAKの先生方、スタッフの皆様、生徒の皆様、その他関係者の皆様、本当にありがとうございました。
2015'学生の力で緑を育てる植樹活動in日光がスタート!
4月25日:今年で12年となる植樹活動では、日光市長も駆けつけてくれました。
「どんぐりから苗木1本県民運動」では、現代社会と人を取り巻く環境、そして自然・動植物が共生できる社会創りを目指す生きる力・生かされる力の創育が目的で柴田法幸代表が考案しました。どんぐりは、次代を担う子供達と同様に様々な困難を経験しながら成長していきます。こうした成長過程は人間にも通じるものがあります。家族が一丸となってどんぐりを育て(承認)、 個々の責任において(責任)、どんぐりの世話をし(仕事)、成長する姿を家族で喜び合い(成長)、 共に育った苗木を植樹する姿(達成)は、子供の成長過程を家族全員で応援し、育て上げる姿と一緒で、どんぐりを育てることで家族の絆が深まり、家族全員が心身ともに成長していく姿(昇進)を表しております。 家族での協働作業は、家族の絆を深めるだけでなく、厳しい社会の中で生きていくための知恵や経験を積む予行演習にもなります。 この活動を通して、働くことの大切さや責任感、達成感を感じ、様々な困難を乗り越え社会に貢献できる人材育成へと繋がる事を期待します。
当団体が法人設立前から18年にわたり継続してきた、「どんぐりから苗木一本運動」の植樹活動in日光が、今年も開催されました。当日は私達以外にもおよそ900名の植樹参加者の方々が集まっており、緑の普及活動の広がりを感じました。そして、4月の足尾での植樹活動(学生の力で緑を育てる植樹活動)も今回で第12年目を迎えました。今回もたくさんの親子、そして県内外の大学生がこの足尾の地を訪れ、まだまだ茶色い山肌の広がる足尾の未来を変える苗木たちが植えられました。
毎年継続して植樹活動に参加して下さっている小学生親子の皆様は、慣れた手つきで次々と苗木を植えてくれました。回数を重ねるごとに、子ども達の表情からは自信と充実感が垣間見え、たくましさと頼もしさを感じました。この植樹活動が、お子様の成長、そしてご家族の成長へとつながれば、これほど嬉しいことはございません。
足尾に訪れるのも2回目以降のご家庭もいれば、初めてのご家庭もいらっしゃいましたが、「何故足尾の山から緑がなくなってしまったのか?」「足尾の山に緑を取り戻すために私たちは何をしたらいいのか?」植樹前のバスの中で子どもたち一人一人が植樹の意味について考えることが出来たと思います。今回植えた苗木たちが子どもたちと共に大きく逞しく育ってくれることを願っております。植樹後のバスで、「心を込めて気を植えることができた人は手を挙げてください!」と言って、元気よく手を挙げた子どもたちの誇らしげな笑顔が忘れられません。
今回も栃木県内外の大学生が私たちの考えに賛同し、植樹へ参加してくれていることも大変喜ばしいことです。足尾に緑を取り戻すために活動している方の多くは、現役を退いた高齢者の方々と聞きます。足尾の緑化も当時に比べたら、確実に進んではいますが元の多くの緑を取り戻せるのはあと100年以上かかるといわれています。100年後には私たちはこの世にはいません。しかし、もし私たちの遺志を継ぐ次世代が足尾の緑化を続けてくれたのなら、足尾の緑は必ず取り戻せるはずなのです。いま必要なのは遺志を引き継いだ若者である、私はそう思い植樹を行っています。そして、この活動が全国の学生達に広まり、緑の復興のバトンを、私達若い世代が受け継いでいきたいと強く感じました。
植樹を終えた時、心の暖炉に火が点るような、何とも言えない暖かさと充実感は、実際に体験してみなければ分かりません。当法人では、来月5月30日も日光市足尾での植樹を予定しております。皆さん、ぜひ私達とともに、一歩踏み出しましょう!
今回の植樹活動には、当法人の応援団としてお世話になっている日光市の齋藤市長も駆けつけてくださいました。植樹に臨むメンバーに熱い励ましの言葉をかけてくださいました。ご協力くださっている皆様の想いに応えるためにも、誠心誠意、励んでまいります。
現在日光東照宮では、徳川家康公に纏わる400年式年大祭が開催されており、今しか見ることのできない東照宮を楽しむこともできます。足尾の緑を取り戻すためには継続的な植樹活動が必要です。次回5月30日(土)の植樹ツアーへのご参加もスタッフ一同お待ちしております。
全国各地から続々と次代の子ども達の未来を支える若者達が参加表明を行っています。(満員御礼!)
5月30日:第7回:親子で世界遺産を巡る植樹ツアーin日光
私達は社会福祉の観点から、生まれ育った自然豊かな地域を育み、環境保護の擁護とともに、次代を支える子ども達の擁護「児童福祉法」及び「次世代育成支援対策推進法」に基づいた考えのもと活動を行っている。
今年で7年目となる、どんぐり(種子)から苗木を育て、出生地の土壌に帰す「どんぐりから苗木一本運動」は、多くの有識者に支持され、全国各地から大学生をはじめとした高校生や中学生、そして小学生、またその保護者が支持し、ご参加くださいました。
晴れ模様の空のもと、心地よい初夏の風が足尾の山々に吹き抜けます。本日は本当に良い日に訪れることができました。遠くで虫の音が聞こえてきます。かつての鉱毒事件によってすべてが色あせてしまった土地、足尾に少しずつですが命の息吹が取り戻されつつあると感じました。 ガッツポーズを決めているのは今回の植樹ツアーにわざわざ埼玉から足を運んでくださった大学生のみなさんです(左上写真)。この度は私たちの行う緑化活動に共感してくださり、参加の意思を表明してくださいました。私たちの活動が栃木県のみならず全国へと波及していっている印であり、環境保全の取り組みの輪が広がっている証拠でもあります。
子どもたちが重い苗木を一所懸命に植樹場所まで運ぶ姿が印象的でした。子どもたちは重い重いと言いながら苗木を運んでいましたが、決して足を止めずに力強く苗木を抱えていました。その姿から、子どもたちが自分の持っている苗木を最後まで自分が責任を持って植えるんだという意志が伝わってくるような気がしました。また当法人代表は、20年に渡り地域の学生や子ども達と、この地で植樹活動を行ってきました。かつて一面はゴツゴツとした岩山が広がっていましたが、長年の地道な人々の努力により、年々緑が甦る姿に感動を覚えました。
私たち大人がどんなに知恵を絞っても5年先の未来すら予想できません。それでも私たちの後を継ぐ子供たちの世代は20年、30年と歩み続けていきます。大人は未来に向かって、彼らを導いていかなくてはなりません。未来ある子供たちのために何を残せるのでしょうか。ひとつ上げるとすれば、それは「教育」です。 教育の目的とは何でしょうか。勉強をすることなのでしょうか。おそらくそれは20世紀に代表される産業主義社会までは正解と言えます。人々は生産することを追い、それに必要な能力をひたすら求めたのです。しかし、21世紀に突入してから、状況はだんだんと変わってきました。ありとあらゆる環境問題が浮き彫りとなってきたのです。環境問題はその性質上、様々な事情が関係し発生しています。このころから教育現場では物事を多面的に捉える、自由な発想を求める方向にシフトしてきたとも言えます。 20世紀までの教育目標が、例えるならひもとひもの結び目を作ることだとするなら、21世紀の教育目標はからみあって固くなってしまった結び目を紐解くことだといえるでしょう。 「どんぐりから苗木一本運動」は21世紀におけるひとつの教育的指針です。 子ども達の「生きる力」・「生かされる力」の創育にも繋がります。 どんぐりは、次代を担う子供達と同様に様々な困難を経験しながら成長していきます。 こうした成長過程は人間にも通じるものがあります。家族が一丸となってどんぐりを育て(承認)、 個々の責任において(責任)、どんぐりの世話をし(仕事)、成長する姿を家族で喜び合い(成長)、 共に育った苗木を植樹する姿(達成)は、子供の成長過程を家族全員で応援し、育て上げる姿と一緒で、 どんぐりを育てることで家族の絆が深まり、家族全員が心身ともに成長していく姿(昇進)を表しております。 家族での協働作業は、家族の絆を深めるだけでなく、厳しい社会の中で生きていくための知恵や経験を積む予行演習にもなります。 この活動を通して、働くことの大切さや責任感、達成感を感じ、様々な困難を乗り越え社会に貢献できる人材 が生まれてくる事、さらには物事の本質を捉え、現在問題となっている環境問題の解決の糸口を見出すことを期待します。
今回は、どんぐり畑で育てたどんぐりの苗木を足尾の山に帰すことが出来ました。当団体では地元でとれたどんぐりを苗木にまで育て、また元の山に帰すという循環型の植樹活動を行っております。みんなが植えたどんぐりの苗木がやがて大木となるように、子どもたちもこの植えたどんぐりと共に大きくなっていってほしいなと思いました。そしてご家族にそれぞれ植えてもらった苗木は、もちろんどんぐりから育てた苗木です。3〜4年ほどで木は小学生の背丈以上に成長していきます。私自身、ここまで苗木が成長するとは思っておらず、ただただ感動するばかりでした。子供たちの小さい掌でせっせと土をかぶせる姿はいとおしく、そして同時に頼もしさをかんじました。
どんぐりの苗木は、ただ土に埋めただけでここまで大きくなったのではありません。地域の小学生とその親御さんが定期的に草むしりを行い、畑の整備を行い、愛情をこめてここまで育て上げました。秋のどんぐり拾いから始まり、今回の植樹まで苗木を育て上げた子どもと親御さんの笑顔には、達成感が溢れていました。
今回も、OB・OGのみなさんがこの植樹に駆けつけてくださいました。この植樹活動が何年もの間継続して行われているということを改めて実感しました。
世間にはこんな言葉があります。「仮にすべての昆虫が地球から消え去ったら、その後50年の間にあらゆる生き物が消滅するだろう。もし地球上から人類が消え去ったら、50年後にはあらゆる生命が豊かに栄えるだろう」 その通りなのかもしれません。ですが人類は、地球を脅かすために生まれてきたわけではありません。ただ少し「地球に生かされている」ということを忘れているだけなのです。動物、植物、ありとあらゆる生命はガイアの上にたつちっぽけな存在です。 わたし達は今一度、日々の生活を顧みるべきではないでしょうか。
私達が「どんぐりから苗木一本運動」(地元の山から採取したどんぐりを育て、地元に還す活動)を行う理由は、単に足尾に失われた緑を取り戻すためだけではありません。私達は、なぜ今生きていられるのかを少し考えてみて下さい。食べ物があるから、水が飲めるから、生きがいがあるから、家族や友達がいるから…… しかし大地や水がなければ、食べ物はできません。水がなければ幾日も生命は生きられません。水を私達に供給し、大地を災害から守るものが森ですが、それも世界的に見れば減っていく一方です。 人が生き物であり、この地球に生かされている存在である以上、地球環境が壊れれば、私達が築き上げたもの・営み・そしてあなたの大切な人やあなた自身は消えてしまいます。 そうなる前に、自分自身を、そして大切な人を自らの手で守りたいと思いませんか? そのためには、今地球で起こっていることを理解し、どのように解決していったらよいかを考え、実践し、周囲に伝える必要があります。 そのきっかけとなり、基礎となるのが、自然環境を自らの目で見て学び(理解)、自ら考えながら苗木を育て(実践)、その経験を家族や友達に発信する「どんぐりから苗木一本運動」なのです。 大切な人を守るため、これから生まれてくる子ども達の未来を守るため、私達とともに活動してみませんか?当法人は今後も、取り組みを続けてまいります。
当法人では、「苗木里親メンバーシップ」と題し、秘境・日光の国有林から採取した『黄金』のどんぐりの苗木を育ててくださるご家庭、または小学校様を募集しております。育てた苗木は、このように、私達とともに足尾の山に植えに行く事も可能です。家族で力を合わせて、愛の苗木を育ててみませんか。参加者を全国から募集いたします。(ご参加お待ちしております。)
8月10日:「どんぐりから苗木一本運動 World Caravan in Republic of the Philippines」 を行いました。
再びフィリピン・ボホール&セブへ(未来を担う子供たちへのメッセージとともに)
多様な動植物の生息するボホール島。澄んだ海に色鮮やかな魚達が泳ぐセブ島。しかし、これらの自然環境は日本と比較したものであり、今現在の現地の環境しか知らないからこそ感じたものであると気づきました。当団体の柴田代表が過去に訪れた際には、現在より美しい海、豊かな生態系がそこには形成されていたそうです。自身の生まれ育った環境、そして積み重ねた経験や学んできた知識によって、海の美しさ一つをとっても感じ方が変わるものなのだと痛感するとともに、将来の子供たちの為にもこれ以上この環境を汚してはいけないという思いが込み上げました。
観光名所として賑わうマゼランクロスでは、その巨大な木製の十字架を削り取り飲むと万病に効くとされ、そのすぐ側のサントニーニョ教会では多くの住民達が祈りを捧げておりました。その一方では、キリスト教への改宗を迫るマゼランを討ち取ったラプ=ラプが英雄視され、銅像の建設や市・魚の名前に付けられるなど住民の生活に身近な存在とされています。この両者をフィリピン国民はどのように捉え考えているのか、また、世代間で違った認識があるものなのか、とても興味深く感じました。
前回の訪問時にもお世話になった「コスタベリャトロピカルビーチホテル」のJOHNELS.ROSINAさんのご協力により、ホテル内に植樹した苗木側に未来の子供たちへのメッセージを刻んだ標柱を立てて参りました。ROSINAさんは、日本空手協会に所属しており、過去には日本武道館で開催された世界大会にも出場経験が有るということで、偶然か必然であったのか不思議な縁を感じました。
現在フィリピンでは英語が公用語であり、先進国と比較し物価も安価であることから、語学学習の為の留学先としても人気が高いといいます。日本人を問わず、留学や観光、ビジネスでセブ島を訪れる世界各国の人々にとって新たな観光名所として、また地元住民、子供たちにとっても、貴重で限りある豊かな自然を顧みる新たなシンボルとなることを願います。(松本)
9月3日:「アフタースクール寺子屋」で 子供たちを守るために全国に先駆けて、暴漢対策講座を行いました。
学童保育初の試みとして、多くの報道取材陣が駆けつけてくれました。
報道によると「先月、宇都宮市内で女子高生が背後から近寄ってきた人物に鈍器のようなもので頭を殴られ私物を奪われた。」このような事件が発生しました。そのことを受け、運営スタッフより、子供たちを擁護する観点から何かできないものかとの声が上がり、柴田代表を含めスッタフで協議した結果、暴漢対策講座を行うことを決定いたしました。当日は、学童保育初ということもあり、NHKや読売新聞・産経新聞・毎日新聞・下野新聞などの取材陣が駆けつけて子供たちの表情と感想を伺っておりました。
子供たちの「生きる力を養成する」暴漢対策講座では、不審者に変装したスタッフ(左上の写真参照)がバッドを持って突然子どもたちのいる部屋に侵入するというものであった。この授業を行う前に子どもたちの反応をスタッフの間で綿密に予測を立て、『逃げる、叫ぶ、戦う』のではないかなどの意見があがった。しかし、実際の授業で不審役のスタッフが侵入しても子どもたちは何が起きているのか把握することができず、呆然とその場に座ることしか出来なかった。これが危険に遭遇した時の生の子どもたちの反応なのだと思った。だからこそ、スタッフが子どもたちの安全を守るためいち早く行動を起こさなければならないという学びも得ることも出来た。不審者役のスタッフが部屋から出た後、授業担当者からの『今みんなは不審者が入ってきたとき、何も出来なかったよね?それじゃ不審者の人に襲われてしまうよ?』というフィードバックを真剣な表情で聞く子どもたちの様子が見受けられた。少しでも助かる可能性を上げるため、左の写真ような対応表を作成し、子どもたちが不審者に遭遇した際に自分たちにも出来ることを考えてもらった。(増田)
講座の目的は、「生きる力・生かされる力」である。不審者に出遭ったとき、瞬時に自分の立場を理解し、役割を持って行動する。』というものであった。子どもたちには、実際に不審者に遭遇したときに、”自分たちにも出来ることがあるんだ。”ということを考えてもらった。その中でも多かったのが『助けを呼ぶ、逃げる、時間を稼ぐ、声を出す』という意見であった。その後、子どもたちひとり1人が個別に責任を持つことにより効果的な方法を考察した。また、今回の授業では、不審者から身を守ることについて保護者の方々とともに様々な場面を想定して考えてきてもらうこととした。(増田)
普段は正義感の強いやんちゃな児童が、テレビへの取材に自分から名乗り出、自分の言葉ではきはきと話すことができていました。短時間ながら、よく話をまとめられており、成長を感じた瞬間です。ぜひ保護者の皆様にもお子様の姿を見ていただけたらと思います。 この映像や記事を見た方が、今一度防犯について家族や学校で考え、子どもが被害に遭う悲惨な事件が減っていけばと改めて思った一日でした。(村上)
テレビ局や新聞社などの多くのメディアが駆けつけてくださり、改めてこの度起こった強盗傷害事件と暴漢対策授業への世間の関心が高まっていることを感じました。たくさんのカメラに子ども達はドキドキしていましたが、自らの身を守るための策を堂々と発言する姿はとても立派でした。自分の思いを発信することができ、子ども達によっても良い経験となりました。。(飯塚)
この度の暴漢対策授業は、暴漢に会った際に即座に動くことの難しさを子ども達のみならずスタッフ自身も改めて認識する機会となりました。とっさの判断が自らの命と一緒にいる子ども達の命に係わることを肝に銘じ、活動に励んでまいります。今後も「アフタースクール・寺子屋」では多種多様な授業によって子ども達へ「生きた学び」を提供し、社会が変化する中でたくましく行動する「生きる力」を伸ばしていきます。(飯塚)
「日本は、海外に比べて治安がいい」。これが私達が抱いているイメージかもしれません。しかし、日本のどこかでは、凶悪な事件が連日起きています。人は、自らが窮地に立たされなければ事の重大さになかなか気づく事ができません。これが、今回の暴漢対策講座を実施した一つの背景です。当団体が「フィールドから学ぶ」ことを重視しているのは、実体験に基づき獲得した知識・経験こそ、絶え間なく変化する社会を予測し、適切な行動をとる「生きる力」となり得ると確信しているからです。そして、学校教育という現場では、全校をあげてこのようなカリキュラムをスピーディーに組むのが難しいのが現状です。当団体は、社会的・国際的情勢を鑑み、「未来の社会のために必要なこと」、そして「学校だけでは学べないこと」を学習する場を創出し続けて来ました。これからもその姿勢は変わりません。この度の講座にご協力頂いた皆様に、厚く御礼申し上げます。(中野)
9月8日:「どんぐりから苗木1本運動 World Caravan in Naha」を那覇市教育委員会ならび松島小学校のご協力のもと行いました。
千葉大学・九州大学・琉球大学などの学生が参加しました。
沖縄県では2校目となる「どんぐりから苗木一本国民運動」を行いました。沖縄県内の小学校でどんぐりの木があるのは、私たちの団体が植樹を行った2校だけです。勿論、自然豊かな沖縄の生態系を保つために、植えられた苗木は、沖縄県産のオキナワウラジロガシ(沖縄裏白樫、学名: Quercus miyagii)の苗を植えました。沖縄では、どんぐりを使った遊びを行う文化はありません。勿論、植樹にどんぐりの木を植えるという文化もです。その沖縄に、新しい風(文化)が、若き学生たちとともに吹こうとしています。 観光立県沖縄、そして環境立県沖縄、観光立国日本、環境立国日本を私や私たちの子供たちは目指して活動を続けます。
今回は沖縄県の那覇市松島小学校で行いました。最初は6年2組32名の子どもたちに向けて私たちが毎年植樹に行っている足尾の山についてのお話をしました。「みんな山って何色だと思う?」という問いに対して子どもたちは「緑!」と答えていましたが、緑のない茶色い山肌の人がった足尾の写真をみて衝撃を受ける様子が見受けられました。また、足尾の山の過去を物語にした「どんくんの夢」の紙芝居を行いました。子どもたちは真剣に紙芝居を聞き、場面ごとに表情が変わる様子が感じられました。今までいろいろなところで紙芝居公演をしてきましたが、こうやって子どもたちの生の反応を見られることはとても嬉しいことです。
場所を教室から外に移動し、柴田代表自ら子供たちに沖縄でどんぐりの木が貴重であること、自然豊かになることの素晴らしさを伝えました。子供たちも自分の学校にどんぐりの木が植えてあることがどんなに凄いことか感じていました。
本土から数百キロ離れている離島の島沖縄ということもあり、進学や就職でいつかは沖縄を出るときがあるかもしれない。しかし、将来成人式などでみんなが沖縄に帰ってくるとき、大きな大木となったこの木の下で今日の日のことや一生懸命この木を育てた日々を思い出してくれたらいいなと思いました。この木が一つの地元を思い出すシンボルとなることを願います。
今回の苗木は、沖縄中を探し回ってようやく見つかったオキナワウラジロガシです。「いつ(実が)なるのかな?」と、早くも結実を心待ちにする声も聞こえました。一通り土をかけ終わっても、「まだ土をかけたい!」と希望する生徒が続出し、皆で苗木のもとに駆け寄る盛り上がりぶりでした。
この度の植樹の際に、6学年の先生が児童に向けて、「卒業後も、成人式の時にでもこの木の前で再会できれば」とお話して下さいました。子どもたちが進学・就職等によって故郷を離れることがあっても、この木と共に成長する。そしていつか那覇に回帰した際には、時の承認として、この木や自らの経験を子どもや孫の世代に伝承してもらいたい。そんな想いの詰まったストーリーの絵本を、プレゼントさせていただきました。
沖縄の青空の下行われたこの記念植樹が行われました。柴田代表が「いちゃりばちょーでー」と子どもたちに向けておっしゃっていましたが、沖縄の言葉で「一度出逢ったらみんな兄弟だよ。」という意味だそうです。植樹をするために全国を飛び回っていますが、一つ一つの出逢いを大切にしたいなとこの言葉を聞いて感じました。
「どんぐりから苗木一本運動World Caravan in Naha」実施担当者:千葉大学学士課程(喜村)
「どんぐりから苗木一本国民運動実施を通して」
柴田代表をはじめとしたNPOの諸先輩から様々なことを学び、手探りの状況から本企画はスタートしました。企画を担当するにつれ大学では学べない多くのことを学ぶことができました。私は今は、千葉大学に通っていますが、那覇出身であり、松島小学校は6年間お世話になった母校です。およそ10年振りに訪問し、とても懐かしく感じました。運動会がもうすぐ開催されるということで、運動場で毎日、必死で練習している最中でしたが、生徒のみなさんは教室で私たちの話をとても真剣に聞いてくれました。同じ高校だった九州大学の友人や、琉球大学の学生委員会の人にも来てもらい、生徒の前で為になる話をしてもらいました。宇都宮大学の学生で手作りの紙芝居を披露したときは、迫真の演技で生徒を圧倒していました。私は最初に植樹をするに至った経緯などを話しましたが、小学生の前で話すというのは貴重な機会であり、他の方の話し方もとても勉強になりました。また、広場での植樹の際に柴田代表がお話しているときは、ときに沖縄の方言を交えながら、地域の垣根を越えて同じ仲間として交流しているのが印象的でした。
小学生の頃を振りかえってみると、どんぐりを見る機会はほとんどなくて、たまに北部の県民の森に行って、拾えたときはとても喜んで机の引き出しに大切に保管したのを今でも覚えています。それほど沖縄では珍しいどんぐりの樹を小学校に植えることができたのは、生徒だけでなく地域の人々にとっても非常に大きな意義があると思います。
故郷の錦に花を咲かすというように、自分の生まれ育った地域に貢献したいと思い、母校で環境教育や記念植樹をすることができました。しかし、私はどうすれば地域の子どもたちが立派に成長し、沖縄の未来をよくしていけるか、これからもしっかり考えて行動することが大切だと思いました。今回の植樹は私にとってスタートであり、今後も苗木の成長を見守ることはもちろん、他の学校や施設でも子どもたちや地域の方と積極的に交流しながら、地域に貢献する活動を継続していきたいです。また、今回改めて感じた沖縄の人たちの優しく暖かい人柄や絆を大切にする精神を、県外でも発信していきたいと思います。
最後に、小学校への依頼で全面協力していただいた那覇市長および那覇市教育委員会様、母校での植樹を快く引き受けていただいた校長先生、教頭先生、クラス担任の與那嶺先生、苗木や標柱を提供していただいた赤嶺総合造園様には深く感謝申し上げます。
10月15日:環境省主催・文部科学省推奨「ESD環境教育プログラム」栃木県実施事務局として公立学校で出前授業を行いました。
芳賀郡芳賀北小学校では、全国に展開している「どんぐりから苗木一本運動」を授業に取り入れ環境に対する意識の啓発に勉めました。
20年の活動実績が認められ、環境省主催の「ESD環境教育プログラム」栃木県地域事務局として任命を受けました。ESDとは、Education for Sustainable Development(=持続可能な教育)の頭文字です。子どもたちが地球温暖化や資源・エネルギー問題、異文化理解などの新しい社会の課題に対応し、持続可能な社会を築く基礎を養うことを目指しています。その中で、地域事務局は地域ごとの現状や学校のニーズに合わせてモデルプログラムをアレンジし、学校を中心とした地域が一丸となって実施できるプログラムつくりをしていきます。 そしてこの度、芳賀町教育委員会のご紹介のもと、芳賀北小学校にて授業を実施しました。(関係者の皆様、誠にありがとうございました。)小学校3年生で実施する環境教育プログラム全体の導入としてどんぐりから木を育てる意欲付けをしたい、というご要望のもと授業案を練っていきました。 ここで当団体は、青少年の健全育成に良いとされるとちぎの子ども育成憲章の実践事例としても紹介されている「どんぐりから苗木一本運動」を授業に取り入れ、一つのどんぐりが自身の「生きる力」と周りに「生かされる力」によって立派に苗木に育っていく紙芝居講演を行いました。場面の変化に応じて、子どもたちが表情を変えていくのが印象的でした。また、地球温暖化によって遠く離れた南極の氷が解けたり、異常気象が起きたりと、人間だけではなく動物たちの未来の生活に影響が出ることを示していき、自らの行動が周りに与える影響について考えました。 授業の終末には、家庭や学校でできることを考え、プリントにまとめました。地域のごみ拾い活動がない日にも自分から拾う、自分でもどんぐりを育てる、木を植えに行く、などの自分なりのアクションを考えることができました。 (当団体は、ESD事業に関わらず、紙芝居講演や記念植樹活動など、それぞれの学校の実態に応じて柔軟に授業内容をご提案させていただいた実績がございます。自然や環境についての授業でお困りの関係者の皆様、ぜひお問い合わせください。)
栃木県日光市足尾で過去にどのようなことがあったのか、また、私たちの身の周りに出来ることはないのかを子どもたちに考えてもらうよう『どんくんの夢』の紙芝居公演を行いました。楽しい場面や悲しい場面など場面によって子どもたちの表情が変わる姿が紙芝居をしながらも感じることが出来ました。この紙芝居公演を通して、人間が奪ってしまった自然はきちんと返さなければやがて大変な災害や様々な良くないことが起こってしまうということを学び取ってもらえたらと思います。
紙芝居公園の後は紙芝居を聞いての振り返りや感想など様々な質問を子どもたちに問いかけました。「どん君はお父さんが切られてしまって可愛そうだった。」「隆平君は木を植えてすごいなと思った。」などと子どもたちの率直な感想を聞くことが出来ました。登場人物の立場や気持ちを考えながら紙芝居を聞くことが出来たのだなと思いました。紙芝居を行った側としても子どもたちの直の感想を聞くことができ、とても良かったです。
最後に、「もしあなたがどん君だったら…?」と題し、自分だったら環境のために何ができるかを考え、発表してもらいました。「ゴミをなくす」「木を植える」などといった意見が交わされ、とても誇らしげな様子でした。考えただけにとどまらず、ぜひ学校やお家で実践して頂ければと幸いです。
この度参加して下さった芳賀北小学校3年生の子ども達は、近日どんぐりを扱った環境学習を行っていくとのことでした。この出前授業が、子ども達の、変化する環境の中でもたくましく「生きる力」を、そして周囲の環境に感謝し「生かされる力」を育む一つのステップとなれたなら、これほどの喜びはございません。芳賀町教育委員会の皆様、芳賀北小学校の皆様はじめ、関係者の皆様、まことにありがとうございました。
10月16日:環境省主催・文部科学省推奨「ESD環境教育プログラム」栃木県実施事務局として公立学校で出前授業を行いました。
さくら市立上松山小学校では、全国に展開している「どんぐりから苗木一本運動」を授業に取り入れ環境に対する意識の啓発に勉めました。
上松山小学校は、全国緑化コンクールで一位を獲得するほど、学校が一丸となって環境、緑化活動に取り組んでいる緑豊かな学校です。この度は、小学5年生の総合的な学習の時間にて取り扱う「環境」及び、栃木県が有する負の遺産、日光市足尾の学習の導入として行いました。 例年の導入は、森林の働きを学ぶためのビデオ教材をお使いだったそうです。今回は、実際に足尾で長年活動していること、子どもたちにも親しみやすい紙芝居形式の教材であることから、当法人にオファーをいただきました。 足尾銅山鉱毒事件は、自然や人々への影響を顧みずに経済発展を優先させた開発による人災です。101年も前に起きた事件ですが、未だに足尾は銅の精錬所の煙によって土壌が汚染され、自然には木が生えてこない土地であり、当時の爪痕が残っています。私たちが便利で快適な生活を獲得したのと引き換えに、今でも足尾では大雨のたびに土砂崩れが起きたり、強い地震によって当時の有害物質が流失しているとのことです。しかしながら、足尾の山は地域の方々を中心とした方々の長年の活動の積み重ねにより、徐々に緑が戻ってきております。 「歴史は繰り返される」という言葉がありますが、地震などの自然災害も温暖化が原因といわれております。現在も刻一刻と進む環境破壊は、今地球で生きている私たちの世代から一人一人が問題を自覚し、できるときにできることを続けていくことが重要です。これから子どもたちが足尾や環境についての学びを深める際に、自分たちには何ができるのかを考える一つのきっかけになれれば幸いです。
紙芝居『どん君の夢』の紙芝居講演を行いました。子どもたちはとても集中して紙芝居を聞いているのが印象的でした。紙芝居の感想でも、登場人物の気持ちに立って物事を考え、その上で自分ならどう思うか、またどう行動するかなどの感想が述べられていたのでとても良かったと思います。また、どんぐりが土に植えると木になるということはやはり意外だったようで、右の写真のようなどんぐりの苗木を興味津々とした様子で見ていました。
足尾の50年前の草木が一本も生えていない山の写真を見せたときの子どもたちの驚いた反応がとても印象的でした。 また、それと共に人の手によって少しずつ緑が戻ってきている写真も見せました。それもあるのか、環境について自分の身近に出来ることを考えようということで、『自分も木を植える活動をしたい。』などと答える子どもたちが何人か見受けられました。
この度の出前授業は屋内でのものとなりましたが、当法人は「フィールドから学ぶ」ことを重要視しています。今回写真で見た50年前の赤茶けた足尾の山。これが現在はどのような姿で存在し、10年後、20年後先の未来はどのように姿を変えるのか。子ども達が、実際に足尾に赴いた際に、山の現状を自分の目で確かめ、時の証人となって活動して頂ければ幸いです。この度は、上松山小学校の皆様はじめ、関係者の皆様、まことにありがとうございました。
10月17日:地球の平和と親子の絆を深める「どんぐりハイクin日光」を開催しました。
新キャラクター登場!「アースレンジャーVSオゾンホール海賊団」の一騎打ち。
地球温暖化を抑制するために黄金のどんぐりを探す旅にジュニアアースレンジャーは、親子で奥深い山へ力を合わせて分け入った。
そんな中、地球環境を破壊するオゾンホール海賊団が3つのミッションをジュニアアースレンジャーに出し、一行の行く手を塞いだ。しかし、勇敢なジュニアアースレンジャーたちはオゾンホール海賊団の勢いに屈することなく一つ一つのミッションを確実に達成した。
雨という生憎の天候でしたが、子どもたちは落ち葉をかき分け、夢中になってどんぐりを探していました。今回は、親子で協力してのどんぐり拾いとは少し異なり、オゾンボール海賊団から『お母さん、お父さんよりも多くのどんぐりを拾う』というミッションが下されました。拾い終わった後、親子でそれぞれが拾ったどんぐりの数を比べている様子が印象的でした。自分より多くのどんぐりを拾う姿を見た保護者の皆さんは自分の子どもの成長を感じることができたのではないかと思います。
当法人が運営しておりますアフタースクール・寺子屋では、どんぐり拾いハイキングのような校外学習で使う英単語の学習を日々取り入れております。今回はオゾンホール海賊団からの第2のミッション『校外学習英単語に答えよ。』に立ち向かいました。ミッションをクリアし、アースレンジャーとハイタッチをする子どもたちの達成感に満ち溢れた顔が印象的でした。このように、フィールドに出ていても、日々の学んだことを試すことが出来るよう場を作っています。
当法人では、地元のどんぐりを拾いそれをまた元の山に戻すという循環型の植樹活動を行っていますが、このどんぐり拾いハイキングは『どんぐりから苗木一本運動』の始まりの一歩でもあります。どんぐりを見つけた時の喜びやオゾンホール海賊団に立ち向かったことを胸に大切に育てて欲しいなと思います。そして、ジュニアアースレンジャーの拾った黄金のどんぐりがやがて大木となり、足尾の山で生き続けることを願います。
11月7日:NPO法人足尾に緑を育てる会から柴田代表が感謝状を頂戴いたしました。
緑を育てる若者の牽引役として長年の功績を称えられ柴田代表に感謝状が贈られました。
当団体が立ち上がる前から日光市足尾に通い、緑を育てる活動を行っていたという柴田代表。ある日、故)立松和平さんと、故)神山代表から話を持ち掛けられたという。足尾に緑を育てる会発足当時は、若い世代の参加者が少なく、故)立松和平さんと、故)神山代表から、継続的に参加してくれる若き力が欲しいと、柴田代表に協力要請を行ったという。そのかいあって、その年から宇都宮大学の学生を中心に柴田代表自から音頭を取り、学生の力で緑を育てる活動を発足。過去十数年にわたり日光市足尾の地に降り立ち、若き力の原動力として活躍してきました。時には、街頭で苗木募金の先頭を行き、時には、国土交通省や林野庁へ赴き、どんぐり拾いの許可をもらい、自からの子供たちとともに、どんぐりを拾い集め、数年かけて苗木を育て、その苗木をどんぐりを拾った山(日光市足尾)へ帰す。(循環植樹の発起人「どんぐりから苗木一本国民運動」)を世界各国で展開するなど、世界に環境教育立県栃木、そして世界遺産日光市のPRにも努めている。
「NPO法人足尾に緑を育てる会」の鈴木聡 会長や、ご来賓の皆様から、足尾の緑化及び渡良瀬川流域の環境改善に尽力してこられた方々に向け、感謝の意が表されました。「NPO法人足尾に緑を育てる会」様は、足尾の活性化に寄与し、渡良瀬川に清流を取り戻すべく、長きに渡り緑化活動を続けられ、今年で発足20周年を迎えられました。鈴木会長はじめ、皆さまの心のこもったおあら言葉からは、足尾と先人たちを愛する強いお気持ちがにじみ出ていました。
当日は、当法人の柴田代表以外にも、多くの来賓の方、功労者の方がお見えになり、足尾緑化活動の裾野の広さを感じました。また、足尾の緑化活動の足跡をたどるスライドも発表されました。柴田代表と親交の深かった 故)立松和平さんと、故)神山前代表 も度々登場しておりました。柴田代表の後を追うように、年々植樹活動の参加者が増え、緑が取り戻されていく様がよく分かりました。足尾における活動の歴史を感じると共に、途中であきらめずに継続することの大切さを改めて認識しました。
鈴木聡 会長から柴田代表へ、感謝状が贈られました。柴田代表は、20年以上にわたり自らの手で足尾に苗木を植え続けております。そして多くの若者を足尾に呼び込み、若者が継続して足尾での活動を行えるようにするため、「学生の力で緑を育てる会」という基盤を組織しました。今なお第一線で指揮をとり続けております。当会の学生スタッフも、改めてその偉大さを感じると共に、足尾をはじめ未来の地域社会に豊かな環境を残す「どんぐりから苗木一本運動」を発展させていきたいと強く思いました。
11月8日:どんぐりから苗木一本国民運動の一環として被爆クスノキ2世を植樹しました。
核戦争の象徴でもある長崎県の天然記念物「被爆クスノキ」2世(苗木)を県立宇都宮北高校の生徒とともに校庭に植えました。
【入手経緯】宇都宮北高校に植樹された「被爆クスノキ2世」は、長崎県にある長崎原爆資料館から“愛と平和の”「どんぐりから苗木一本運動」を全国展開している、NPO法人 とちぎ生涯学習研究会へ寄贈された。
長崎県にある天然記念物「被爆クスノキ」は、長崎市に原爆が投下された日、爆心地からおよそ800メートルに位置する山王神社にあった。原子爆弾が投下され、爆風によって全て物の吹き飛ばされ、そのあとに残ったのは一本柱となった鳥居と、熱線によって裸同然となったクスノキのみでした。しかし、そのクスノキは驚異的な生命力により緑を取り戻し、現在では見上げるような大木として神社にそびえたっている。その「被爆クスノキ」の種子を長崎原爆記念館でつくる有志の会で、種子から育て、多くの人々に原爆の日を語り継ぐために「被爆クスノキ2世(苗木)」を育てる(継承)人づくりを行っている。人は子供から大人へと成長していくが、どのようなところで学び、どんな環境で育ったかが、将来のカギとなるのは言うまでもない。そのような人づくり「創育活動」を柴田代表は目指している。人もいつかは土にかえる「輪廻転生」人も生命体であれば被爆クスノキも同じ生命体である。自からが生きているのではなく、自からが、母なる地球という生命体に生かされているということを忘れてはならない。そこには、貧困や戦争などあってはならないし、宗教や言論も周囲と調和を取って、地球を理解し、やさしく生きていなかければならない。何故なら「文明開化から学べ」過度な進化や発展は、一見人類にとって便利なことは多いが、その技術がもととなり争いを招き、自然環境を壊し、地球に生かされている私たちにとっては、今後場合によっては、生き抜くことすら出来なくなる環境を作ってしまうことも忘れてはならない。
【被爆クスノキについて】
「被爆クスノキ」は、長崎に投下された原子爆弾の爆心地から、わずか800メートルほど離れた場所にある、山王神社の境内に生い茂る、樹齢500年〜600年ほどになる大楠(オオクスノキ)の種子から、人々の手によって、一本一本丁寧に育てられた苗木である。大楠(オオクスノキ)は、(1945年 )昭和20年8月9日午前11時02分、原子爆弾の投下で強烈な熱線とすさまじい爆風のため木肌を焼かれ、枝葉が吹き飛ばされ丸裸となり、一時は枯死寸前を思わせたが、自からの生命力により、その後奇跡的に息を吹き返しました。この時、町の人々は、被爆したクスノキから「生きる力」の尊さを学びました。被爆したクスノキは、その後、生命の力強さから人々を勇気づけ、現在は平和の象徴として、長崎県の天然記念物となり、地域の人々を見守っています。
今回、記念式典を出迎えてくれたのは栃木県立宇都宮北高校の生徒からなる有志のメンバーでした。スライドを中心に並べられた座席には生徒会会長を中心に多くの有志が集まっています。教室では何が始まるんだろうというという期待感が自然と広がっていました。授業では当団体の活動経緯や、クスノキ贈呈にいたる経緯、そして大学生から高校生に向けたメッセージを送りました。この度、宇都宮北高校に寄贈させていただいた苗木は上述の通り、被爆してもなお驚異的な生命力で復活を果たしたクスノキの2世です。
授業は「今年の最大ニュースは?」といった日常の話題からはじまり、会話の中で生徒の緊張もほぐれ、終始和気あいあいと進行していきました。時間にすると1時間にも満たない交流でしたが、北高校の生徒はメッセージを真摯に受け止め、私たちに強く、たくましい目で答えてくれました。
生徒には、スライドを使いながら私達の団体が行っている循環型活動「どんぐりから苗木一本国民運動」についての説明を行いました。なぜ循環植樹なのかを熱心に聞き入っていました。その後、それぞれの将来への思いを話してくれて、ひとり一人行きたい道があるのだと思いました。大学進学を考える高校生への進学相談会を行いました。高校生からは進学についての積極的な質問が多数あがりました。私達スタッフも、数年前は未来のキャンパスライフに期待と不安をいだいていました。受験に備えて頑張る高校生の励みになったら嬉しく思います。
屋内での平和に関する授業の後は、外に出てクスノキの植樹を行いました。生憎の雨模様でしたが、宇都宮北高校の校長先生や教頭先生をはじめ、多数の先生方のご協力のもと行われました。生徒の皆さんがクスノキを植樹しているのを見て、大きく育って欲しいという強い思いが伝わりました。
宇都宮北高校は国際理解教育に力を注いでいることが特色である高校です。今回植えた平和の象徴である被爆クスノキが国際社会へ平和を訴える生徒たちのきっかけとなればいいなと思いました。続いて、宇都宮北高校の生徒達が順番に苗木に土をかけていきました。クスノキは、約1年間育ったどんぐり畑から、宇都宮北高校の校庭という新たなステージへと旅立ったのです。クスノキは20~30mという大木に成長する植物です。周囲に立ち並ぶ他の木と同様、大きくたくましく育つことを願っています。
植樹されたクスノキは全国各地に植樹されていますが、栃木県では、当団体が譲り受けた2本のみです。そのうち一本は「どんぐりから苗木一本国民運動」の発祥の地である(株)清水造園管理の「どんぐり畑」に昨年植樹し、どんぐりサポーターのお世話(除草作業など)のかいあって現在も大きく成長し続けています。そのどんぐり畑から栃木県では2本目となる、里親が宇都宮北高校となりました。宇都宮北高校は、平成24年度から、教育目標を「人間性豊かで、我が国の伝統・文化を理解し、国際感覚をもって社会で活躍する人材を育成する」としているそうです。クスノキの成長を、その暖かい真心で見守って頂くとともに、先輩から後輩へ、このクスノキが宇都宮北高校で生きている意義を伝えて行ってください。
日本は世界で唯一の被爆国であり、今なお原爆の後遺症に苦しむ人もいます。終戦から70年が経ち、戦争の悲惨さを、実体験から語り伝えることができる人が少なくなっている今、私たちに何ができるのでしょうか。柴田代表は、若者自身が、原爆にも屈しなかったクスノキの2世(子ども)を育てることで、平和や命の尊さを知ってもらおうと考え、この度の植樹に至りました。なお、このクスノキの植樹は、当法人が長年実施している、循環型の生命の育成プロジェクト「どんぐりから苗木一本運動」の一環であります。木から落とされた種子が苗木へと成長し、行き先でたくましく成長する。そしてそのまた子供(種子)が芽を出し、新たな命を育む。この世に生を受けたものは、生態系に何らかの影響を及ぼし、子孫を残すことでその力を後世に伝えます。今回栃木県に初めて舞い降りた被爆クスノキ2世が、子どもたち・若者達の心に「平和への想い」という火を灯し、豊かで誰もが安心して暮らせる未来の社会へとつながることを願ってやみません。
この日からまた新たなクスノキの歴史が始まります。栃木県に根付き、この先何年も高校生と共に雨風に負けず育ってくれることを祈ります。この場をお借りして、宇都宮北高校の教職員の皆様に厚く御礼を申し上げます。
12月2日:平成27年度環境大臣賞表彰受賞者に柴田法幸代表が選ばれました。
柴田代表が考案した「どんぐりから苗木一本国民運動」が地球温暖化防止活動 環境教育部門を受賞
このたびは環境大臣より、栄えある賞をいただきました。これもひとえに「どんぐりから苗木一本国民運動」にご参加くださった国内外の行政並び学校関係者などのご協力の賜物だと心より深く感謝いたしております。これからも持続可能な環境教育プログラムをたずさえ新たな取り組みにチャレンジして参ります。これからも末永くご支援いただけるよう宜しくお願いいたします。(柴田法幸)
柴田代表の長年にわたるご苦労が報いられた瞬間を目の前に、私たちは時の証人となり、全国の「どんぐりから苗木一本国民運動」に参加されている学校ならび子供たちとともにこの活動を継承して行くことを心に誓いました。
監督官庁が立ち並ぶ、東京都霞が関で行われた表彰式の会場では、受彰関係者、一般観覧者、その他多くの報道陣を含め、500人を超える人が集まりました。表彰対象は、幾つかの部門に分かれており、柴田代表はその中でも、地球温暖化防止活動 環境教育部門での受賞を果たした。柴田代表は、これまで国内外の行政並び教育機関と連携し、多くの子供たちの前で「地球温暖化防止のためには」をテーマに、循環植樹の大切さを伝える講演を繰り返し行ってきた。その他にも社会問題に対しても瞬時対応するなど行動の速さが、私たち学生の尊敬するところである。この度の環境大臣表彰を受けられる方々の中には勿論、大手企業の環境対策部門の責任者をはじめ、名門国立大学の有識者が多く見受けられた。私たちも柴田先生に倣い、このような大舞台で表彰を受けられる人間になりたいと思う。
丸川珠代 環境大臣の代理として、平口洋 環境副大臣より、表彰状を賜りました。表彰状を受け取った際には、詰めかけた大勢の報道陣から一斉にシャッターが切られました。500名以上という大観衆の中での表彰は、当法人の歴史の中でも珍しく、どんぐりから苗木一本運動及び柴田代表に対する期待の大きさがうかがえました。
表彰式の後、受彰者フォーラムが催され、この度受彰となった活動のプレゼンテーションが行われました。当法人の柴田代表は、「循環植樹から学ぶ子どもと社会の創育活動」どんぐりから苗木一本運動について紹介をされました。ゆるキャラのくまモンも活動に参加していると聞き、観衆からは驚きの声がもれました。プレゼンテーションの最後に柴田代表は、「One teacher, One book , One Acorn , One Action ( Acorn どんぐり=子ども達) end Education. 」と呼びかけ、次世代を担う子ども達の育成と、より良い社会の形成を訴えられました。
会場の廊下には、環境大臣賞を受賞した団体の活動がパネルで紹介されていました。私達の団体の活動も展示されていました。どの団体にも負けないくらい立派に展示されていました。
この度環境大臣表彰を受賞された当法人の柴田法幸代表は、20年以上前から、地球が消滅の危機に瀕しつつあること、環境問題の解決を訴えて来られました。しかし、周囲の反応は半信半疑なものだったと言います。それでも柴田代表は一人で立ち上がり、植樹活動や次世代を担う子ども達の創育活動を続けて来られました。2008年の洞爺湖サミット以降、徐々に世間に環境保全という考えが浸透し、当法人の活動も、多くの皆様のご協力を賜るようになりました。活動をスタートされてから20年以上。柴田代表が長年積み重ねられた努力が、環境大臣表彰という名誉ある評価を頂き、一スタッフとして私も感無量です。柴田先生が口癖の様に仰る言葉「継続は力なり」。まさにその言葉どおりであると、実感した一日でした。
12月6日:ESD環境教育プログラム実証事業に係るESD環境教育ワークショップ開催
未来へ繋ぐ、緑と心のバトン!「環境学習を地域でよりよく行う為には?」
高校生から社会人まで多くの参加者が集まる中で、大学院(修士課程)の教育学研究科で学ぶ村上が司会進行を行った。住環境とまちづくりについて多くの著書をお持ちの某国立大学教授 陣内雄次氏の基調講演から始まり、グループごとに熱いトークを戦わせた。
当日は、某国立大学にて住環境やまちづくりについての研究を行っている陣内雄次先生(写真左)からのご講演をいただきました。陣内先生からは、ESD についての概要やご自身の研究であるまちづくりとESDを組み合わせたお話もしてくださいました。学生の出身校である小学校での授業の実施例などのお話も出てきて、学生が小学校に通っていた時代より、環境教育やまちづくりに関することも小学校で盛んに取り入れられるようになったのだなと感じました。 また、ファシリテーターの村上からは『現在の環境教育は非日常的で断片的な体験になってしまっているのではないか?』という問いかけがなされました。 この問いを掲げながら今回のワークショップが進められました。
話し合いを終え、グループごとに発表を行っていった。田んぼでのコメ作りを小中学生と地域住民が協力して行うプログラム、登下校時に自分の発見を日々記録して紹介するプログラム等、様々はアイディアが出た。コメ作りには、中学生が小学生に植え方などを教えていき、責任感や主体性が身につくような工夫が、登下校のプログラムには、それぞれ違う自分のルートを持っていることに着目し、自分オリジナルの発表ができる点で主体性を出すような工夫があった。参加した学校関係者から、「本校でも取り組みたい」と声をいただくことができた。限られた時間でも、「世代間の違いや環境の違いによって注目する点が違っていたので、固定観念がない幅広い話し合いが出来た」「班内で意見を出し合って考えを深める活動がとても楽しかった」という声のような、有意義な時間を過ごせたようだ。
本ワークショップは、「ESD環境教育プログラム」の一環として行われた。当法人の役割は、地域の環境問題や連携の実情を把握し、栃木県宇都宮市ならどのような環境教育のプログラムができるか開発することにある。今回のワークショップでは、新たな小学校とのご縁があり、現在プログラムの開発を協議しようとしているところである。陣内先生の講演の最後に、リオ会議のカナダ代表スピーカー、12歳のセヴァン氏が世界の首脳を前に「どう直すか分からないものを壊し続けるのは、もうやめてください」と話した。環境教育が含まれるESDは、福祉の問題や国際理解教育などの学問体系を超えて、問題を捉える必要がある。「自分が生きる未来はどうであってほしいか」というような未来への夢は大きく持ちながらも、現在の地道なプロセスを歩んでいくことが、最も重要な要素だ。こうした話し合いを設けることも、多くの緑を育て植えることも非常に地道な活動である。このような活動が多くの地域に活動が広まることを期待し、今後とも継続して活動に励んでいきたいと改めて思った一日であった。(関係各位の皆様、改めて御礼申し上げます。)
12月11日:東京ビックサイトで開催された「エコプロダクツ2015」で柴田代表が講演を行いました。
環境省所管の全国地球温暖化防止活動推進センターのブースで講演を行いました。
地球温暖化防止活動 環境教育部門で環境大臣表彰を受けられている柴田代表のもとへ講演依頼が舞込みました。当日は、行政関係者ならび各国の大使館関係者をはじめ多くの来場者があり、連日マスコミなどでの報道もあり会場は賑っておりました。
環境省所管のブースでは、全国地球温暖化防止ネットのスタッフが、講演の後押しをしてくださいました。私たちの活動をムービーでご紹介くださったり、来場者の整理まで手伝ってくださいました。(ご協力ありがとうございました。)
当日は、当法人のゆるキャラドン君も、とちぎからワッシーの背中に乗って会場に舞い降りてきました。会場では、来場者がドン君”かわいい”との声が飛び交いました。そんな中、柴田代表の講演が始まりました。
エコプロでは、TOP企業の最先端技術から産学官連携による研究の発表まで行われていた。私たちは、全国の国公私立大学が出展しているブースをまわり、私たちの活動を紹介するとともに連携して地域や社会のために貢献できる活動をとプレゼンを行っていきました。
東京大学をはじめとした各大学のブースをまわる中、翌日の学生環境サミットに参加くださる学生に遭遇。其々の努力を称えあいました。
当団体主催の植樹やどんぐり拾いなど「どんぐりから苗木一本国民運動」にご参加いただいている千葉大学のISOのブースを発見。顧問の先生と今後も連携して様々な活動に取り組んで行く事を約束をし記念撮影を行いました。
エコな活動を心がける民は、全世界共通の「いちゃりばちょーでぃー」だ。
12月12日:第11回:学生環境サミットin東京開催
東京大学の学生をはじめ全国から多くの学生が渋谷に集まりました。
これまでに全国から多くの学生を集め、学生の力で緑を育てる活動へ繋げてきた。「緑を育てるための学生交流会」は今年で11回目となる。より多くの学生に輪を広げるため、若者の聖地・渋谷にて「学生環境サミット」を開催した。東京大学、青山学院大学、首都大学東京、千葉大学、埼玉大学など各地から50名を超える参加者が集まりました。(中野) 現在、地球温暖化をはじめとする環境問題が存在する。今年の9月に関東地方を襲った集中豪雨などのように、私たちの身に降り注ぐ問題となっている。そんな中で、次世代を担う若者一人一人が地球のため、自ら何ができるか考えそして行動を起こすきっかけ作りをすべく、今回の「第11回学生環境サミットin東京」が開催された。(増田)
過去10年間栃木で開催してきた本イベントを、11年目となる今年は東京で行う事となり、私達スタッフも新鮮な気持ちで当日を迎えました。東北地方から九州沖縄まで、全国各地に縁のある学生が集い、高揚感に溢れる幕開けとなりました。柴田代表からは、この度の出会いを大切にし、学生の力で次なるアクションに繋げてほしい、というメッセージを頂きました。
学生が環境保全に取り組むアクションを起こすきっかけづくりとして、上智大学院地球環境学研究科教授である柴田晋吾先生にご講演をいただきました。ご講演のテーマは「持続可能な社会の形成をめざして」ということで、先生ご自身が研究されている森林保全の観点からお話をしていただきました。自然が人間にもたらす利益(生態系サービス)は物質的にも精神的にも価値の高いものであり、そうした利益(生態系サービス)を金銭的価値に置き換え、支払うシステム(PES)があるということを、教えていただきました。参加者は時にはうなずきながら、真剣な姿勢で講演を聴いていました。
第2部「環境に関するワークショップ」では第一部の講演をふまえて現在の環境問題と、その改善策を少人数のグループで話し合いました。ディスカッションでは「私の出身地では車がないと移動に不便なため、みんな車に頼りすぎている。」や「発展途上国と先進国の格差をなくすための活動をしたい。」などの意見がでました。このように各参加者の出身地で問題とされていることや、興味のある環境問題について積極的に意見が交わされました。
環境に関するワークショップでは、参加者一人一人が環境について思うところを話し合い、班ごとに考えをまとめてもらいました。ただ意見を聞いて終わりにするのではなく、一人一人が宣言として、これからの自分にできることは何があるのかを残してもらいました。参加者の方々の宣言に、私たちもより一層この活動を広げていこうという思いを再確認させられました。
第3部「緑を育てるための学生交流会」では食べ放題飲み放題の中で、参加者の皆様が交流を楽しむ様子が見受けられました。そして当団体のマスコットキャラクターどんぐりの「どん君」も駆けつけてくれました。どん君の周りには自然と人が集まり大人気でした。
今年は7月の猛暑や北関東・東北地方南部に甚大な被害を与えた。記録的集中豪雨などの異常気象に見舞われた一年であった。しかし、このような天変地異は、私たちの身の回りのみならず世界各地で起こっている。そんな中、現代社会を生きる私たち、とりわけ未来の社会を担う若者一人ひとりが環境に対する問題意識を持ち、行動することが必要です。本サミットは、次世代を担う若者に世界を取り巻く環境の現状を知ってもらい、環境保全への意識を高め、自らが考え・実行するきっかけを作ることを目的として開催しました。本サミットに参加した学生達が、そしてこの熱が飛び火した周囲の学生が、母なる地球の未来を守るため、主体的に行動する事を期待します。この度ご協力頂いた皆様、本当にありがとうございました。
12月24日:環境大臣表彰受賞報告のため栃木県庁にある知事室へお伺いしました。
当日は、栃木県環境森林部長をはじめとして栃木県知事、自から出迎えて頂きました。
長年、環境大臣表彰を受賞した「どんぐりから苗木1本国民運動」の応援団長でもある栃木県知事に受賞報告の為、栃木県庁にお伺いしました。当日は下野新聞より取材を受けていた記事が掲載されていたことから知事も詳細をご存知のようで、受賞の報告とともに、今後の活動の予定についてご報告をさせていただきました。
この度、環境大臣から表彰を受けた、柴田法幸代表考案の「どんぐりから苗木一本国民運動」は、「とちぎの子ども育成憲章」の実践事例第一号として、栃木県のホームページで紹介されております。本事業の応援団長として、プロモーションビデオへの出演等、惜しみないご協力を下さった福田知事も、受彰を大変喜んでくださいました。
フランス等での植樹を予定していることをお伝えすると、学生のうちに言語を学んだり、多くの経験を積むことが大切なことだとお伺いしました。社会で生きていく上で、誰かのために頑張ったことこそ、見になるのだろうと改めて感じた一言です。 着ぐるみのどん君と、とちまる君のコラボもできればとのお話もあり、どん君は知事を含め県庁職員に大変好評でした。
訪問当日は、福田知事だけでなく、環境森林部長の金田尊男様、地球温暖化対策課長の安藤高広様にもご臨席を賜りました。金田様からは、会議中の会議室にお呼び頂き、過去の足尾の航空写真等を見せて頂きました。金田様は少年時代を足尾で過ごされたという事で、当法人の足尾での長年にわたる取り組みを喜んで下さいました。安藤様からは、栃木県の地球温暖化対策計画についてお話を頂戴しました。今後は、地球温暖化の抑制に加えて、温暖化の進行を前提とし、どのように適応するかという観点からのアプローチを検討していくとのことでした。絶え間なく変化する社会で、自ら考え自ら行動する力、すなわち「どんぐりから苗木一本国民運動」で養うことのできる「生きる力」が、今まさに求められていると再認識しました。
最後に福田知事と当法人の柴田代表、どん君を誕生させたスタッフをはじめ学生メンバー、そしてどん君で記念撮影を行いました。公務の合間を縫ってお時間を作って頂きました福田知事はじめ職員の皆様、まことにありがとうございました。また、この度の知事訪問は、読売新聞からの取材を受けました。ゆるキャラどん君や、柴田代表考案の絵本にもたっぷりスポットが当たった記事になりますので、皆さまぜひお楽しみにしていてください。